Sae Lee ~From Paris~

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3年ぶりの再演。エウリディーチェ役のマリ=アニエスは昨年より産休を取り12月に出産し、今作品で復帰でしたが、出産後とは思えないほど体も絞れ、ピナの世界観を見事に体現していました。グルックの世界と、ピナの世界が見事に融合して、オペラとダンスの素晴らしいコラボレーション。本当に美しい舞台でした。

3年前にバルタザール=ノイマンアンサンブル、合唱団の創設者でもあるヘンゲルブロックの指揮での公演で大変な衝撃(もちろん良い意味で)を受けたので今回もとても楽しみにしていたのですが、今回はスケジュールの都合でManlio Benziが指揮の公演しか見れなかったのが残念でした。
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3月のコンサートでは「水の戯れ」、7月の日本のコンサートでは「夜のガスパール」とラヴェルの作品を演奏します。そういえば、ラヴェルの作品を初めて演奏したのは高校生の時。私の母校の帝塚山学院高等学校には音楽科はないのですが、音楽コースがあり、週何回かの選択授業では、ソルフェージュや音楽史、合唱、アンサンブルの授業などがありました。アンサンブルの授業は4手や8手、2台ピアノなどに取り組み、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」やプーランクの4手のための「ソナタ」など勉強したのが良い思い出となっています。

ピアノソロ作品も素敵ですが、オペラ「子供と魔法」、バレエ音楽「ダフニスとクロエ」、歌曲「ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ」、「ピアノトリオ」など、とても素敵な作品がたくさんあります。

CIMG2331.jpg現在はモーリス・ラヴェル博物館となっているラヴェルが1921年(46歳)から亡くなる1937年まで住んでいた家がパリから車で約1時間のモンフォール・ラモリー(Montfort-l'Amaury)にあるので、昨年ですが行ってきました。ラヴェルが収集していた家具、装飾品、置物や食器などの室内の装飾や調度品と共にラヴェルが暮らしていた当時のままの様子を見学することができます。写真部分で見えてるのは2階部分。家の左側は1階分低くなっており庭が広がっています。この丘の中腹に建つ家の2階部分から見える眺めがラヴェルがこの家を購入する決め手となったそうです。

ラヴェルの弟子で、作曲家指揮者であったマニュエル・ロザンタールは「ラヴェル‐その素顔と音楽論」で『ラヴェルの家というのは、建物それ自体はたいしておもしろいものではない。特定の様式にのっとっているわけではなく、お粗末このうえない素材で作られていて、いかに不便かは一目瞭然だった。部屋は極めて小さく、廊下は狭いうえ、まるで船のような階段だったからだ。ラヴェルは自分の気に入るよう、だんだん手直ししていった。』とありますが、完成したものはラヴェルがどれだけのこだわりを持って家を手直ししたのかを随所に感じさせられる、お洒落で素敵な家でした。

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左の写真は、一番奥のサロンです。左下のじゅうたんは見学のために敷かれたもので、黒と白を基調にしたとってもおしゃれなサロンでした。カーペット、壁紙そしてすべての調度品はもちろんラヴェルが選んだもの。絵を掛ける位置や、棚の中や上の調度品の配置など、彼の作品を思わせるような細かいこだわりが感じられます。右の写真は、横長の家を突っ切っている廊下。壁紙はラヴェルのデザインによるもの。

CIMG2362.jpg中国や日本からの置物や人形、おもちゃ、からくり箱、絵画などを集めて作った東洋風サロン。ラヴェルの友人でヴァイオリンソナタを献呈されたヴァイオリニストのモランジュによると、『巣窟と呼んだほうがいいような応接間には、日本の骨董品ばかりがやたらと置いてあった。ところがかれはいたずらを企んでいるから、ことは複雑だ。というのは、全部が全部わざとにせ物を置いてあったのだ。デパートで買った花瓶、糸ガラスの造花、バザーで売っていた東洋調の茶碗といった具合だ。そして丁重な客が感心して見とれようものなら、ラヴェルはどんなに面白がったことか!「ところがね、これ、にせ物なんですよ!」とかれは子どものように得意顔で叫ぶ。』とあります。ラヴェルの子供のような側面が垣間見れますね。案内してくれた方が実際にからくり箱やからくり人形を動かしてくださったのですが、きっとラヴェルもお客様方にからくり人形が動く様子を見せて、驚く様子を喜んで得意げに見ていたのだなと思うと感慨深いものがありました。

CIMG2350.jpgラヴェルのエラールのピアノ。ソステヌートペダルはついておらず、「水の戯れ」に多用されているソフトペダルは現在のピアノのように全く違う音色になるものではなく、もう少し陰影が深く暗くなるような音色へと変化したように思います。現在どこまでラヴェルの指示通りソフトペダルを使用するか悩み中なのですが、現代のピアノでソフトペダルを多用するとどうしても音色が変わり過ぎてしまうので、極力、指で音色を変えれるようにと思っています。ピアノの上に置いてある、置物やランプも当時のままだそうです。ピアノの右下にある鍵盤は旅行の時などに持って行ったそうです。


ラヴェルの弟子、ペルルミュテールが1964年にクープランの墓のトッカータをラヴェルの家のピアノで演奏してる映像。

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寝室。ベットは小柄なラヴェルに合わせたもの。家じゅうの椅子などの家具もラヴェルに合わせて作られたそうです。右側の写真の壁に書かれた柱もラヴェルの手によるもの。この柱を見るとデュラン版の「クープランの墓」の見開きに付いている絵がラヴェルの手によるものだとすぐにわかりますね。昔は1階部分にある寝室へ行くのに、一度外へ出なければいけなかったそうなのですが、あまりにも面倒なため、とっても小さな階段を後で家の中に作ったそうです。

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左の写真はあいにくの天気ですが、ラヴェルが家を購入することを決めた2階からの眺め。右は庭から家を撮ったもの。

ラヴェルの家を見学するには、モンフォール・ラモリー観光案内所へ予約を電話でしなければいけません。英語でも大丈夫だと思います。

電話番号 01 34 86 87 96 
日本からかける場合は、010 33 1 34 86 87 96
もしくは +33 1 34 86 87 96

個人で予約できるのは、現在土曜日と日曜日の10h, 11h, 14h30, 15h30 et 16h30のみ。各見学6人までですが、私が行ったときは友人と2人のみの見学でした。時間になると見学を案内してくれるマダムがカギを持って来てくれますので、それまで家の前で待つこととなります。10人以上のグループであれば、火曜から金曜も受け付けているようです。入場料は大人が8ユーと、12歳から18歳が4ユーロ12歳以下が無料となっています。

パリからの行き方ですが、私は車で行ったので約1時間ほどでした。電車で行く場合はパリ、モンパルナス(Montparnasse)駅より電車で約40分、モンフォール・ラモリー・メレ(Montfort l'Amaury-Méré)駅下車。タクシーはほとんどなく、平日は駅よりバスが出ているそうですが、土日なので駅より徒歩で行くとして約40分。道は1本道なので迷うことはないようです。
先日の日記で試験が終わったと書きましたが、試験当日翌日にトリオのメンバー3人ともパリを離れてしまったので試験結果がどうだったか分からずじまいでした。ようやくパリに戻ったヴァイオリニストから、Tres bien a l'unanimite(全員一致のトレビアン)だったと連絡があり、一安心です。
 
今日、室内楽の試験が終わりました。トリオを急遽組むことになったのが確か去年の11月頃だったと思うのですが、今年の予定を組んだときにはトリオの予定は入っていなかったため、各々の予定が見事にかみ合わず、タイトなスケジュールの中での試験でしたが無事に終わりました。

それにしても、メンデルスゾーンの第2番はピアニスト泣かせの曲ですね。とてもピアニスティックに書かれており、なんだかピアノコンチェルトを練習しているような気分になりました。もう一曲はショスタコーヴィチの第2番でしたが、超ロマンティックなメンデルゾーンとはうって変わり、こちらの方はなんともサルカスティックでピーンとはりつめた緊張感のある曲で、以前見たドゥニ・デルクール監督のフランス映画"譜めくりの女"(日本語訳にするとホラー映画のようなタイトルですね。まあ、ある意味ホラーなのかもしれませんが。)の核となる音楽として使われていました。

非公開ですが演奏予定があるため、明日から2週間ほどスロヴェニアに行ってきます。
IMG_1301.jpg5月10日から17日まで、ドイツのエンゲルスという町にある1760年に狩猟城として建てられたお城で行われた室内楽の講習会に講師として参加してきました。お城自体はホテルでもあり、結婚式場にもなっており講習会中も何組かの挙式、披露宴が行われていました。今回招聘を受けた、Villa Musicaというドイツのマインツに拠点を置き室内楽音楽を中心に活動している団体がお城を所有しており、お城内には3つのリハーサル室と、コンサートホールがあります。

Villa Musicaは毎年、若い音楽学生の為(と言っても、参加した生徒たちの年齢はと言うと私とほとんど変わらず、年が上の人たちもいましたが)にスカラーシップ制度を行っており、お金でではなく年に一度プロの音楽家と1週間寝泊りを一緒にし、室内楽曲を一緒にリハーサルしながら学び、コンサートで演奏するという講習会を開いています。今回はフルートのジャン・クロード・ジェラール氏と、サクソフォンのミーハ・ロギーナ氏と共に講師を務めました。

コンサートのプログラムは全て指定されており、今年のコンサートのテーマがブラジルと言うことで、コンサートではソロでミヨーの"ブラジルの郷愁"、ロギーナ氏とのデュオで"スカラムーシュ"、あとは生徒とのアンサンブルでヴィラ・ロボスの神秘的六重奏、ドイツ人作曲家の新曲などを3回のコンサートで演奏しました。

IMG_1201.jpgフランスでは、教会やお城には大体ヤマハのピアノが置かれていることが多いのですが、今回コンサートが行われた古い教会や、個人が所有している邸宅はもちろんのこと、お城にあるリハーサル室にもあまりきちんと調整はされていませんでしたがどこもピアノはスタンウェイが置かれていました。

お城の裏側にはライン川が流れており、部屋から窓を開けると雄大に流れるライン川がいつでも見渡せます。1週間、練習、リハーサル、レッスン漬けの毎日でしたが、ゆったりと流れる空気の中とても充実した毎日でした。フルートのジャン・クロード・ジェラール氏とは初めてお会いしましたが、孫ほど年の違う私たちの意見も尊重し、同じ音楽家、仲間として接してくださりとても素晴らしい方でした。
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