Sae Lee ~From Paris~

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CIMG3473.jpg「マノン」と並んでマスネの代表作でもある「ウェルテル」を見にオペラ・バスティーユに行ってきました。今回のお目当ては、タイトルロールのロベルト・アラーニャ。力強く美しい声、情熱的な演技、外国人の私にでも字幕を読まなくても明確に聞こえてくる、美しいフランス語のディクションと、どれをとっても非の打ちどころがないウェルテルでした。なんと、アラーニャは1月25日の公演終了後、ポーランドに行き、奥様の難産の末の帝王切開に立ち会って、その後パリに戻り2月2日の公演というスケジュールだったそうですので、1月29日の公演は本来はSchmidt役であるLuca Lombardoが代役でウェルテルを歌ったそうです。

CIMG3487.jpgアラーニャ以外のキャストも好演で、演出もシンプルながら、あえてスポットライトを多用せず、情景や歌詞やウェルテルの気持ちに上手く沿った照明の使い方がとても素敵でした。ただ第1幕のセットの中に、小さな手洗い場のようなものがあり、1幕中ずっと水の流れる音がわりと大きく聞こえていたのが若干気になりました。指揮者のミシェル・プラッソンは1933年生まれ、現在80歳。指揮台に立つまでの動作はゆっくりでしたが、指揮ぶりはまだまだ現役。カーテンコール中アラーニャがプラッソンを支えながえら、二人でおしゃべりしていたのが、微笑ましかったです。
1612908_488420497937075_1844183814_o.jpgプッチーニのオペラ”西部の娘”の初日に行ってきました。2009年にオランダのネーデルランド・オペラでレーンホフにより演出されたプロダクションで、パリオペラ座にとっては初の作品。西部というタイトルからもわかるように、西部開拓時代、ゴールドラッシュに沸くカルフォルニアを舞台にウェスタン映画を地でいくようなストーリですが、レーンホフは時代設定をぐっと現代に写し摩天楼の地下、ギャングたちが集まる暗黒街を舞台に物語が進んでいきます。

舞台セットはブロードウェイをイメージさせるしっかりと作りこんだもの。1幕は酒場ということで、あまり違和感のないセット。登場人物たちは黒い革のロングコートを羽織り、黒いサングラスと手には銃。ミニーは紅一点、真っ赤の皮のロングコートで、登場シーンでは天に向かって銃をぶっ放すじゃじゃ馬ぶり。かと思えば、ギャングたちに聖書を読んで聞かせ母のように接したり、酒場の頼れる女主人だったり、ミニーに惚れてる男たちを軽くあしらったり、コロコロと変わる彼女の魅力にギャングたちはメロメロ。

2幕のボックスタイプのミニーの家はピンクを主体にした内装で、ベットの上にはピンクのテディーベアーや白い犬のぬいぐるみが置かれ、家の両脇にはまるでディズニーに出てくるようなバンビの置物が。ミニーの少女のような純粋な部分を強調するようなセット。

CIMG3502.jpgそして最終幕3幕は、たくさんの車が重なり合う廃車置き場。迫力のあるセットに自然と感嘆の声と拍手が沸き起こる中、大きなブーイングも。ついに、ディック・ジョンソン名乗る盗賊のラメレスが捕えられ絶体絶命という瞬間、重なり合う車の真ん中部分が開き、電飾のついた大きな階段が登場。そしてまるでハリウッドスターのように真っ赤なロングドレスに真っ赤な髪のミニーがポーズをとって階段の中央部分に。その後、ミニーがギャングたちに盗賊のラメレスを許してほしいと歌っている間、ラメレスの姿が見えないと思っていたら、なんとさっきまでは普通の服装だったラメレスが、大階段の上からタキシードで登場し、ミニーと抱擁。そして、階段の両脇にドル札が上から降ってくる映像が映され、幕が降りると大きなお札が幕いっぱいに映し出され終了。このお札の映像が、全体をなんともチープな印象にしてしまい、残念。

カーテンコールでは、歌手陣たちには大きな拍手とたくさんのブラボーが、オーケストラそして演出陣には大きな拍手とともに、大きなブーイングも。個人的には、歌手陣の好演のおかげで、プッチーニの新しい魅力を新たに発見できた夜でした。
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